それでも生きるかい。
大抵のことはどうでもいい。
大学の就職支援センターみたいなとこに行った。
四年生のこの時期まで何も決まっていないのだから大したものだ。
何より私の自己肯定感は死んでしまったので、「就職したい!」みたいな覇気が私には一切ない。
自信のない商品を売り込むのに躊躇するように、私は私をどこにも売り込む気になれない。
支援センターで私の相談を受けてくれた男の人はとてもいい人で、私が一言も発さない間ずっと企業の見つけ方を教えてくれた。
志望している業界すらないみたいな、なんかもうどうしようもない私を
「こだわりがあると難しかったりもしますからね」
なんて言って励まして、ネガティブなことはほとんど言わなかった。
彼に従ってそのあと某就活サイトを延々と眺めていて、私が見たってわかる頭のおかしい求人も沢山あるんだなと思った。
就職なんかしたくないけど、他にすべきこともないから。
私は東京圏に住んでいるのだけど、地方で割合興味のある求人を見つけて、今までの人生でつくりあげた人間関係をほとんど疎遠にすることになろうその選択肢について吟味していた。
つくりあげたとは言うけど、実際は生に付随して結果的に出来たものでしかなくて、それが私にとって果たして重要かと言うことを考えていた。
私に親友と言える友人はいないし、自分から連絡を取って会うような人もいない。
でも私に連絡をしてくれる人はいるし、新しく人間関係を構築することほど精神や体力を消耗することもない。
連絡をくれる人にはすごく感謝しているし、本当にありがたいことだと感じている。
とか、そんなことを考えていたらどうすべきなのかわからなくなってしまった。
最近、目上の方からあなたは思慮深いねって評価をいただいたのだけど、考えすぎで動けなくなるのは私の悪い癖だなって、このところよく感じている。
他人から見てその評価基準が明確で、すぐに判断を下せるような人の方が出世するのだろう。
「大抵のことはどうでもいいなんて言いながら、色々と気にしているじゃないか」
いや昔に比べたら本当にどうでもよくなった方だし、こうやって考えてたら段々本当にどうでもよくなるんだよ。
私はこのところ生きる理由を死ぬのは親に申し訳ないからとか、そんな風に考えている。
私は彼らが私を生み育てた理由が全くわからないから、親に特別恩義を感じているわけではないのだけど。
なんでそれでも生きているのだろう。